この記事を書いた人

元人事・産業カウンセラー。企業の人事部で10年間勤務し、職場トラブルの相談を300件以上担当。現在はフリーランスとして、働く人のメンタルヘルスに関する情報を発信しています。
私も前の職場でパワハラを受けていた時、「労基署に相談したい、でもどうすればいいかわからない」って悩んでました。「こんなことで相談していいの?」「相談したら会社にバレる?」って不安だらけで、行動するまでに3ヶ月もかかってしまいました。
これ知ってたら早く辞めてた〜って本気で思うので、労基署への相談手順を具体的にお伝えします。
まず知っておきたい:相談先の違い
パワハラの相談先として混同されがちな機関を整理しましょう。
| 機関 | 役割 | パワハラ相談 |
|---|---|---|
| 総合労働相談コーナー(労働局内) | あらゆる労働問題の初期相談窓口 | ◎ まずはここ |
| 労働基準監督署 | 労働基準法違反の是正指導 | ○ 法令違反がある場合 |
| 都道府県労働局 | 紛争調整委員会によるあっせん | ◎ 会社との調整 |
| 弁護士・法テラス | 法的措置の助言・代理 | ○ 訴訟を検討する場合 |
パワハラの初期相談は「総合労働相談コーナー」が最適です。各都道府県の労働局に設置されていて、無料・予約不要で相談できます。
相談前に準備すべき5つのもの
準備1:パワハラの証拠
証拠は多ければ多いほどいいです。以下のものを集めてください。
- 録音データ:暴言・怒鳴り声の録音(スマホでOK)
- メール・チャットのスクショ:パワハラ発言が含まれるもの
- 日記・メモ:日時、場所、内容、目撃者を記録したもの
- 医療記録:パワハラによる体調不良で受診した場合の診断書
- 目撃者の証言:同僚などが目撃していた場合
準備2:時系列のまとめ
いつ、何が起きたかを時系列でまとめた書類を作りましょう。口頭だけでは伝わりにくいので、A4用紙1〜2枚にまとめておくとスムーズです。
【記載例】
- 2025年10月1日:上司Aに「お前は使えない」と怒鳴られた(目撃者:同僚B)
- 2025年10月5日:会議で発言を無視された(録音あり)
- 2025年10月10日:心療内科を受診、適応障害と診断
準備3:会社での相談履歴
社内のハラスメント窓口や人事に相談した場合は、その日時・相談内容・回答も持参してください。「社内で相談したが対応されなかった」という事実は、外部相談の正当性を高めます。
準備4:雇用契約書・就業規則
あれば持参してください。なくても相談はできますが、あると話が早く進みます。
準備5:自分が望む解決方法を考えておく
「相談の結果、どうなってほしいか」を事前に考えておきましょう。
- 上司に注意してほしい
- 部署異動を希望する
- 会社に再発防止策を講じてほしい
- 損害賠償を請求したい
- 退職する場合に有利な条件を得たい
相談当日の流れ
ステップ1:総合労働相談コーナーに行く(または電話する)
最寄りの総合労働相談コーナーに直接訪問するか、電話で相談できます。予約不要ですが、混雑していることもあるので午前中が比較的空いています。
ステップ2:相談員に状況を説明する
相談員(専門の相談員が対応)に、用意した時系列メモを見せながら状況を説明します。秘密は厳守されるので安心してください。
ステップ3:対応方法の提案を受ける
相談員から、状況に応じた対応方法が提案されます。
- 情報提供:法律や制度についての説明
- 助言・指導:会社に対して労働局から助言や指導を行う
- あっせん:紛争調整委員会による調停(無料)
ステップ4:今後の方針を決める
提案された対応方法の中から、自分に合ったものを選びます。すぐに決めなくても大丈夫。持ち帰って考えてもOKです。
よくある不安と回答
「会社にバレませんか?」
相談した事実を会社に通知されることは原則ありません。ただし、「助言・指導」や「あっせん」を依頼した場合は、労働局から会社に連絡が行きます。匿名での情報提供のみにとどめることも可能です。
「相談したら報復されませんか?」
労働局に相談したことを理由とする不利益取扱い(解雇、降格など)は法律で禁止されています。もし報復があれば、それ自体が違法行為としてさらに問題になります。
「こんなことで相談していいんですか?」
どんな小さなことでも相談してOKです。「パワハラかどうかわからない」という段階でも大丈夫。相談員が一緒に判断してくれます。
「費用はかかりますか?」
すべて無料です。相談も、助言・指導も、あっせんも無料で利用できます。
労基署以外の相談先も知っておこう
- 法テラス(0570-078374):弁護士への無料相談(収入要件あり)
- みんなの人権110番(0570-003-110):法務局の人権相談
- こころの耳(0120-565-455):メンタルヘルスの電話相談
- よりそいホットライン(0120-279-338):24時間無料相談
まとめ:一人で抱え込まず、プロの力を借りよう
- パワハラの初期相談は「総合労働相談コーナー」が最適
- 証拠(録音・メモ・スクショ)と時系列まとめを準備する
- 相談は無料・秘密厳守・予約不要
- 「こんなことで相談していいのか」→全然OK
- 会社にバレるのが怖い場合は匿名情報提供も可能
- 報復は法律で禁止されている
私ももっと早く相談してればよかったって思ってます。一人で抱え込まないでください。プロの力を借りることは、弱さじゃなくて賢さです。
参考リンク:

