「人がいないから有給はちょっと…」と言われて、休みたいのに休めない日々を送っていませんか。人手不足を理由に有給を取らせてもらえないのは、実はあなたのせいではありません。
有給休暇は労働基準法で保障された「権利」であり、会社が一方的に拒否することはできません。それにもかかわらず、「みんな休んでないし…」と自分に言い聞かせて我慢してしまう方がとても多いのが現状です。
この記事では、産業カウンセラーとして300件以上の相談を受けてきた経験をもとに、有給が取れないときの法的な権利と具体的な対処法を解説します。あなたの休む権利を守るための一歩を踏み出しましょう。

有給休暇は「権利」であって「お願い」ではありません
まず大前提として、有給休暇は労働基準法第39条で保障された労働者の権利です。会社が「ダメ」と言って拒否することは、原則としてできません。
有給休暇の基本ルール
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 付与条件 | 入社6ヶ月経過+出勤率8割以上 |
| 初年度の付与日数 | 10日 |
| 年5日の取得義務 | 全企業に義務化済み |
| 時季変更権 | 会社は時期をずらすことはできるが、取得自体は拒否不可 |
| 有効期限 | 付与日から2年間 |
「人がいないから休むな」という主張は法律違反です。会社には「時季変更権」(忙しい時期をずらしてほしいと言う権利)がありますが、代わりの日を提示する義務があります。ただ「ダメ」と言うだけでは違法にあたります。
産業カウンセラーの相談現場でも、有給を取れないと悩んでいた方が法律の知識を得ただけで「こんなに堂々と休んでいいんだ」と変わったケースを何度も見てきました。知識は最大の武器です。
有給が取れないときの具体的な対処法
1. 書面で有給申請する
口頭で言うと「聞いてない」と言われがちなので、メールや申請書など記録が残る形で申請しましょう。「◯月◯日に有給休暇を取得します」と、お伺いではなく報告の形で書くのがポイントです。
2. 就業規則を確認する
会社の就業規則に有給の申請ルールが書いてあるはずです。「◯日前までに申請」などのルールがあれば、それに従って申請することで、会社側も拒否しにくくなります。
3. 人事部に相談する
直属の上司が有給を認めてくれない場合、人事部に相談してみましょう。人事部は法令遵守の責任がありますから、上司の独断で有給を拒否している場合は対応してくれる可能性が高いです。
4. 労働基準監督署に相談する
社内で解決しない場合は、最寄りの労働基準監督署に相談しましょう。相談は無料で、匿名でもOKです。会社が有給を取らせない場合、労基署から会社に指導が入ることがあります。
労基署は敷居が高く感じるかもしれませんが、電話一本で相談できます。実際に相談された方から「もっと早く相談すればよかった」という声をたくさんいただいています。

5. 年5日の取得義務を盾にする
年10日以上有給が付与される従業員には、年5日の有給取得が義務になっています。違反した場合、会社には従業員1人あたり30万円以下の罰金が科される可能性があります。
「法律で年5日は必ず取得しなければならないと定められていますよね?」と上司に確認するだけでも効果があります。
「人がいないから休めない」は会社の責任です
声を大にしてお伝えしたいのですが、人手不足は会社の経営の問題であって、あなたが我慢すべき問題ではありません。
- 人を採用しないのは会社の判断です
- 業務を効率化しないのは会社の怠慢です
- 一人が休んだら回らない体制は、組織として破綻しています
我慢する必要はありません。あなたが倒れても、会社は代わりの人を探すだけです。自分の体は自分で守りましょう。
休めない職場で体を壊す前のサイン
以下のサインが出ていたら、無理せず休むか、医療機関を受診してください。
- 朝起きるのがつらい、出社前に体が重い
- 慢性的な頭痛や肩こり、胃痛がある
- 休日も仕事のことが頭から離れない
- 食欲がない、または過食気味
- 眠れない、夜中に何度も目が覚める
- 趣味や好きなことへの興味がなくなった
体が出しているSOSを見逃さないでください。産業カウンセラーの立場から言えば、こうした症状が2週間以上続いている場合は、心療内科の受診を検討すべきタイミングです。
それでも休めないなら転職も視野に入れましょう
有給が取れない職場は、根本的に労務管理に問題があるケースが多いです。有給だけではなく、残業代の未払いやハラスメントなど、他の問題も隠れていることがあります。
転職先では当たり前のように有給が取れて、「こんなに普通のことだったのか」と驚かれる方が本当に多いです。あなたが今いる環境が「普通」ではない可能性があることを、ぜひ知っておいてください。

まとめ:有給を取るのは当然の権利です
有給休暇は法律で保障された権利です。「人がいないから」「みんな休んでないから」で諦める必要はありません。書面で申請し、それでもダメなら人事部や労基署に相談しましょう。体を壊してからでは遅いです。
一人で抱え込まず、まずは行動を起こしてみてください。あなたの休む権利は、法律がしっかりと守ってくれます。
参考リンク:


